古文常識~女たちの権力争い~
古文は昔の文章、といっても題材になるのは階級の高い人たちの話ばかりです。その上で天皇家の人たちの役職を理解しておくことはとても重要です。
昔は一夫多妻制でした。もちろん天皇にも多くの妻がいて、多くの子供たちがいました。この大所帯、天皇家の人々は皆「宮」と呼ばれていました。ただ、古文で実際に出てくるときは中宮のことを指すことが多いので注意しましょう。
まずは子供時代から見ていきます。
<天皇の子供たち>
この中から一人が選ばれて皇太子になる。
産みの母親のランクや、その一族の権力などによって決まる。
<皇太子の妻>
☆女御>更衣>尚侍(ないしのかみ)>御くしげ殿
・・・天皇の妻。身分の高い順に女御、更衣、尚侍、御くしげ殿と呼ばれる。この身
分は父親の身分に対応している。身分は、産んだ子供の数や、父親の一族のそ
の時の勢力にも左右される。
天皇の妻たちは、基本的にその父親の身分でランク付けされます。また逆に、天皇からたくさん愛され子供を多く生んだ場合、妻の父親の出世にもつながります。つまり当時の結婚には、妻とその一族の繁栄までもが関わっていました。
次は、天皇即位後を見ていきましょう。
<天皇>
★帝・御門・内・内裏・当代・今上(きんじょう)
・・・すべて天皇を表す。神様が人間の姿で現れた姿=現人神(あらひとがみ)と考
えられており、その証として三種の神器(鏡・玉・剣)を持っていた。
<天皇の妻>
☆中宮・宮・皇后・后宮(きさいのみや)・后
・・・第一位の妻。つまり一番身分の高い父親を持つ妻。皇太子が天皇になるタイミン
グと同時に、もともと第一位だった妻が正式に中宮となる。まれに二人同時に選
ばれることがあるが、その場合は片方を中宮、片方を皇后と呼んで区別した。
☆御息所(女御・更衣・尚侍・御くしげ殿)
・・・第二夫人以下。
<引退後>
・・・引退した元天皇。出家することが多い。政治に口出しをする。
☆女院・~門院・大宮・大后宮(おおきさいのみや)
・・・引退した元皇后・元中宮。皇太后。
天皇の妻たちは実家の一族の繁栄のために熾烈な権力争いを繰り広げていました。天皇により愛され、より多くの子供を産み中宮という座を勝ち取るのに必死だったんですね。特に女御のような身分の高い人たちは、下の身分の者たちが愛されるのを妬みいじめや嫌がらせをしたそうです。
古文の世界では、例え争いがあっても単純に愛情云々だけが背景ではないことがあります。役職や身分の違いを意識しておくと理解を深められます。
参考:マドンナ古文常識
◆◇無料メルマガ配信中!◇◆
僕が実際に、偏差値50から70オーバーまで押し上げた勉強メソッドを紹介しています。
また、返信をくださった読者さんの相談には積極的に答えていきたいと思っています!
僕と一緒に本当に自分に合った勉強法を探しませんか?
ご登録はこちらから!
https://maroon-ex.jp/fx57593/J0pFhU